- 胸アツな感情になりたい。
- 大人でも泣けるアニメが見たい。
- 子供にも勧められるアニメを知りたい。
ドラえもん映画史上、最大の問題作とまでいわれる作品。
旧ドラえもん映画の中でもNo.1との呼び声が高く、今もなお絶大な人気を誇っています。
この映画は子供よりも、大人にこそ鑑賞してもらいたい作品です。
30代以上の方は、この作品に幼き頃に触れている方もいらっしゃると思います。
子供心に恐怖心を覚えさせたあのストーリーは、実は大人になってから見返して…初めて考え・気づかさせられる至高のストーリーでした。
さて、あなたはこの映画がどのような作品か覚えていますか?
- 登場するロボットたちがカッコイイ!
- 女の子のスパイロボットがカワイイ!
- 鏡の世界に楽しそう!
このような印象を、お持ちではないでしょうか?
この印象を一変する深さが、この映画には存在します。
この作品の見どころ含め、その深さを解説いたします!

ココからは本編のネタバレを含みます。
のび太と鉄人兵団


テーマは戦争と奴隷
人間の歴史にもある植民地の奴隷制度をモデルにされた問題作。
現代においては、大問題となるテーマです。
- 映画公開日 1986年03月15日
- 制作国 日本
- 上映時間 97分
鉄人兵団のあらすじ〆
スネ夫にラジコンロボットのミクロスを自慢されたのび太は、ドラえもんに巨大ロボットを出してとお願いする。 しかし、ドラえもんは『そんなものはない!』と一蹴し、のび太と喧嘩する。 頭を冷やすと北極へと【どこでもドア】で行ってしまう。 そんなドラえもんを追いかけてのび太が北極へと行くと、空から落ちてくる巨大ロボットの部品をのび太が発見する。 自宅に持ち帰り、ドラえもんの道具【逆世界入り込みオイル】で鏡面世界に入り、のび太とドラえもんは巨大ロボットを完成させた。 しずかちゃんを誘って、巨大ロボットで遊んでいる最中、しずかちゃんがひょんなことで押したスイッチにより、巨大ロボットがミサイルを街に目掛けて発射する! ミサイルによりビルは崩れ落ち、瓦礫と化した。 これにより、実はこのロボットは【おもちゃではなく、破壊兵器】だと知った3人。 そう、この巨大ロボットこそが…地球侵略を目論む【メカトピア星】から送られてきたロボットだった。 そして、そのロボットを追いかけて地球にやってきた【メカトピア星】の少女リルルとのび太たちが出会う。 ここから物語は加速し、地球侵略を目論む【メカトピア星】ロボット兵たちが、リルルの誘導のもと地球へとやってきた。 地球を守るため、鏡面世界でロボット兵たちを迎え撃つドラえもんたち。 のび太たちと接する中で、無機質なロボットであるはずのリルルの中に“心”が生まれ、それまでなかった“感情”が芽生え始める。 そして、最後にのび太たちの敵であったはずのリルルは、自分たちロボットの歴史を自ら改変し、自らの消滅と引き換えに地球人を救います。
❝ひとりはみんなのために…❞



最後のリルルのシーンには涙が止まらなかったわ…!
メカトピア星とは?


上記でも記述している通り、この作品が扱っているテーマは…
【戦争と奴隷】です。
地球侵略を目論むメカトピア星のロボットたちの歴史こそが、人間たちが犯した歴史そのものなんです。
物語の考察部分
メカトピア星は遥か昔、神様によって作られたロボット…
- アム
- イム
この2人によってつくられた世界です。
歴史を重ねる中で、たくさんのロボットたちが誕生し、いつしかそのロボットの中でも金持ちロボットや貴族ロボットが現れ、そのロボットたちが奴隷ロボットを使うようになった。
しかし、ロボット同士はみんな平等という考えが生まれ、新しい労働力つまりは新しい奴隷として人間を使うこととなった。
そのため、地球人を奴隷と化すために、ロボット兵たちが地球へ侵略してきたのです。
メカトピア星のロボットたちの歴史は、まさしく地球に住むわれわれ人間の歴史そのものを描いています。



人間の歴史を描いていたとは…。
鉄人兵団のココが魅力!


この作品には見どころや心に刺さる言葉がたくさんあります。
鉄人兵団の見どころ
- のび太がしずかちゃんをロボット兵から助けるシーン
- 最後のリルルとしずかちゃんの別れのシーン
- しずかちゃんの優しさと機転の良さ
- 感情を持ち始めたリルルが、自らの使命と自らの感情との間で葛藤するシーン
- ロボット兵団とのび太たちの戦い
子供心にはロボット兵団たちとの戦いが1番の見どころでしたが、大人心では何よりリルルがのび太やしずかちゃんたちと関わるうちに、人間の心のあたたかさに気づき、次第に感情を持ち始めるところが見どころです。
心に響く言葉
ドラ映画の代名詞!心に響く言葉たち!
『ときどき理屈に合わないことをするのが人間なのよ。』
※大爆発に巻き込まれ、大けがをして壊れそうになっているリルルを手当てをしているときのしずかちゃんの言葉。敵であるはずの相手を助けることに戸惑うリルル。
『ゴミじゃありません!人間は私たち(ロボット)以上に複雑な心を持っています!』
※地球にやってきたロボット兵団長とリルルの会話でのリルルの言葉。兵団長の『人間などゴミみたいなものだ!』の発言を受けて、リルルがそう返した。リルルの感情の変化が見受けられた名場面。
『涙が出る装置が欲しい…。』
※ドラえもんの道具で頭脳を持ったミクロスの言葉。リルルとしずかちゃんの最期の別れのシーンで、涙を流せないことを悔やむスネ夫のラジコンロボット。感情を持つ人間に生まれたことの喜びに気づける場面。
他にも心に刺さる言葉は多数ありますので、ぜひ本編をご覧ください。
まとめ


人間の歴史を描いたこの作品は、大人になった今だからこそ感じることがたくさん詰まっています。
自らの力で歴史を変え、自らの消滅と引き換えに地球人を救う…そんなリルルの姿には、大人も子供も涙なしでは見れない感動があります。
のび太やしずかちゃんの優しさが、ロボットであるリルルの中に『人を思いやる心』を芽生えさせ、リルルも『みんなのために』自分を犠牲にしました。
❝人を思いやる心❞
❝ひとりはみんなのために❞
現代(いま)を生きるうえでもスゴく大切な2つだと、この作品を通じて気づかせてくれました。
敵を助けるしずかちゃんの『ときどき理屈に合わないことをするのが人間なのよ』の言葉が、人間という生き物の本当の優しさに気づかせてくれる。










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